自分から文字を読もうとしない。
ひらがなを読めるけど、書くことをなかなか覚えない。
一応書けるようになるけど、人よりも時間がかかる。
かなや漢字を書けるようになってもすぐ忘れてしまう。定着しない。
↑たとえば、こういったお子さんがいます。
家庭や保育園、幼稚園で十分絵本に触れられなかった。
きょうだいやまわりのお友達がやんちゃだったり、いじめがあったりして落ち着かない。
先生と相性が合わなくて園や学校に行き渋りがある。
きょうだいの誕生や引っ越し、家庭環境にいろいろ変化があったとか、親が勉強を見てあげられない、塾や学習教室も利用出来ない。
就学前でまだ学習態度が身についていない。
そういうことで、読み書きの導入や学習の継続に時間がかかることもあると思います。
あせらないで、できるようになるまでつきあう、
お子さんに合う教材をさがして、家庭でいろいろ工夫してみる、
親子で読書の時間を増やす、などできるといいですね。
ただ、特に思い当ることもなく、知的理解力にも問題ないように見えるのに、
教材やノートを用意して、静かな落ち着いた環境で、元気に登園や登校もできていて、親もそれなりに付き合っているのに、
入学後も、どうも学習態度が身につかない。
ひらがなや漢字を覚えない。時間がかかりすぎる。文字の練習をやたらといやがる。そういうお子さんもいます。
そういうお子さんの中には、
読み書きに困難を感じるタイプとして特に配慮が必要なケースがあると思います。
発達障害、というと、ちょっと大げさなような、抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、
知的能力が通常があるいは高いほうであっても、読み書きの障害を持つ場合というのはあって、
自分や周囲がそれに気づかないことで、
本来持っている能力を発揮できなくて、苦しんだりすることがあります。
LD(学習障害)、ディスレクシア(読み書き障害、失読症、難読症、識字障害、読字障害)
といった発達障害が知られています。
トム・クルーズさんやスウェーデン国王がそういった障害を持つと表明しています。
また、学習に困難を感じる子どもさんの中には
ADHD、アスペルガー症候群、高機能自閉症、PDD、広範性発達障害、自閉症、
といった発達障害やその傾向を併せ持つ子(グレーゾーン)も多いようです。
困り感がはっきりとしていて家族や幼児教育、小学校の時点ですぐに気づき療育をはじめられる場合もあれば、
かるく傾向がある程度のごく軽度であったり、ほかの能力が高いので見過ごされたりして、
気づかないまま大きくなるようなこともあります。
辛抱強く学習して克服できればもちろんよいのですが、
自分に合わない方法をつづけて、自分に能力がないと勘違いし、
自尊感情を持てなくなると、心身の成長をさまたげると思います。
発達障害の子はクラスに数人いるとか、10人に1人はなんらかの発達障害、
またはその傾向を持つ可能性がある、というようなことも
いわれています。
できることとできないことの差が極端に大きい人、人間関係が不器用な人など、
自分自身や身の回りにもそういう傾向のある人を何人か思い浮かべることができるのが普通だと思います。
素人考えなんですが、わたしはだれもが発達障害のかけらを持っていると思います。
また、発達障害といわれるものの多くは「個性、特徴」の範囲でもあるともいわれていますし、
自分に合う方法を自分なりに工夫して、または自分で学習して習得して、
自立した大人になる人も多くいるのです。なので、
あまり、深刻に、不安がらず、否定的に考えなくてもいいと思います。
あくまで、子どもに合う学習方法を考える、という視点で、
普通のやり方や教材が合わないようであれば、
LDやディスレクシアの情報や教材を参考にする、子どもに合うなら利用する、というのはありだとわたしはおもいます。
スクールカウンセラーや、
児童相談所の発達相談などで、
お子さんに合う方法を相談するのもいいと思います。